医療機関以外の選択肢
国の医療政策が病院から在宅へと舵を切ったことに伴い、看護師が活躍できる職場の範囲は病院以外にも広がっています。
その範囲の広がった職場の一つとして挙げられるのは、患者の自宅です。
在宅医療においては看護師が医師以上に重要な役割を果たしているといわれています。
主治医から看護師に対して訪問看護指示書が提出されていれば、看護師のみで患者の自宅を訪問することが可能となるからです。
主治医がいない患者の場合は、訪問看護ステーションが連携している医師に訪問看護指示書の作成を依頼するケースもあります。
ちなみに、同一の患者に対する訪問看護の回数は原則として週3回が上限となっています。
しかし、病状が急激に悪化したり患者が終末期を迎えた場合などは主治医から特別訪問看護指示書が提出されれば、週4回以上の訪問看護が可能になります。
看護師は、訪問看護を開始する前にケアマネジャーのケアプランを参照しながら訪問看護計画書を作成します。
そして患者からの同意が得られれば、訪問看護をスタートさせることができます。
訪問看護の業務内容は、とても幅広いことで知られています。
病状や健康状態の観察をはじめ、訪問看護指示書をもとにして注射や点滴、処方薬や栄養バランスのコントロール、湿疹や床ずれなどの治療を行います。
さらに患者の自宅に置いてある医療機器の交換や洗浄、福祉用具の設置に関する相談、患者のリハビリなども行います。
訪問看護の看護師は医師と患者の架け橋となり、患者の自宅という名の職場で大いに活躍しているのです。